はじめに:倒産経験者の面接は、何を聞かれるのか
「会社をたたんだ人間が、面接でちゃんと評価されるのだろうか」——再就職を決めたとき、私が一番不安だったのはここでした。
結論から言います。倒産経験は、答え方次第で”強み”になります。 むしろ面接官は、その経験をどう受け止め、どう次に活かそうとしているかを見ています。逃げずに、誠実に語ること。それが何より大事でした。
この記事では、40歳前後で会社を倒産させた私が、実際の転職面接でよく聞かれた5つの質問と、実際にどう答えたかを包み隠さず公開します。同じ立場で面接を控えている方の、心の準備になれば幸いです。
質問①「なぜ会社をたたんだのですか?」
面接官の意図:経営判断力・リスク管理能力・責任感の有無
最も聞かれた、そして最も大事な質問です。ここで言い訳がましくなったり、他人や環境のせいにすると、一気に評価を落とします。
私の回答
「経営を続ける中で、資金繰りや人員の維持が困難となり、従業員や取引先の今後を考えたうえで、最終的に撤退という決断をしました。破産という形ではありましたが、給与や仕入れ代金は可能な限り支払ったうえで、弁護士の指導を受けて整理を進めました。厳しい経験でしたが、経営判断の重さと、着地までの責任を痛感しました。」
ワンポイント:「最後まで責任を果たそうとした」事実を具体的に伝えるのが鍵です。給与・支払いをどう扱ったか、専門家と適切に進めたか。逃げずに着地させた人間だと伝われば、それは立派な評価対象になります。
質問②「元経営者なのに、サラリーマンに戻る抵抗はありませんか?」
面接官の意図:組織への適応力・上下関係への理解
採用側が一番不安に思うのがここです。「プライドが高くて使いにくいのでは」「年下の上司の指示を聞けるのか」と。
私の回答
「経営時代は自分の裁量で意思決定してきましたが、その一方で孤独や重責も感じていました。今は、チームで成果を出すことの大切さを学びたいと考えています。立場に関係なく、組織に貢献する姿勢は変わりません。」
ワンポイント:「経営者の自分」に固執していないことを示すのが大切です。過去の立場を誇示せず、組織の一員として貢献したいという姿勢を、言葉と態度の両方で伝えましょう。
質問③「ご自身の強みは何ですか?」
面接官の意図:再現可能なスキル・貢献イメージ
私の回答
「業務改善や原価管理、取引先との折衝、そして部下との信頼構築など、経営の現場で培った”横断的なマネジメント力”が強みです。実務も現場レベルから理解しており、現場と経営層の間をつなぐ役割に自信があります。」
ワンポイント:経営者経験者の強みは「視座の高さ」と「横断的な実務理解」です。ただし抽象的だと響きません。**原価管理・折衝・改善といった”再現できる具体スキル”**に落とし込んで伝えると、採用側が「自社でこう活躍してくれそう」とイメージできます。
質問④「弱みは何ですか?」
面接官の意図:自己認識のバランス・柔軟性の有無
私の回答
「以前は、”結果を出す”ことを重視するあまり、人間関係への配慮が足りなかった部分があると反省しています。今は、周囲との連携やチームワークを重視し、目標達成と関係性の両立を心がけています。」
ワンポイント:弱みは「正直に認めつつ、改善している」とセットで語るのが鉄則です。自己認識ができていて、変われる人だと伝わります。
質問⑤「今後、どんなキャリアを描いていますか?」
面接官の意図:成長意欲・再起志向の確認
私の回答
「まずは御社の事業や文化を理解し、現場の信頼を得ることを第一に取り組みたいと思っています。そのうえで、改善や提案ができる領域があれば積極的に関わり、将来的にはマネジメントや部門間連携など、広い範囲で貢献したいと考えています。」
ワンポイント:いきなり「経営に関わりたい」と言うと警戒されます。まず現場で信頼を得る→徐々に貢献範囲を広げるという順序で語ると、地に足のついた印象になります。
実は、面接対策は一人でやらなかった
正直に書きます。これらの想定質問と答え方は、転職エージェントの担当者と一緒に準備しました。
私が使ったのはリクルートエージェントとビズリーチの2つ。どちらの担当者も、倒産経験という”クセのある経歴”をどう説明すればプラスに転じるか、面接官の視点からアドバイスをくれました。
リクルートエージェントは、想定質問の洗い出しから回答の組み立てまで、面接前にしっかり対策をしてくれました。これまで面接は「する側」で、「される側」になるとうまく自分のことを説明できていない事が多かったので、その辺も助かりました。
ビズリーチは、スカウトをくれた企業ごとに「この会社はここを重視する」と面接の傾向を教えてくれ、自分の市場価値を客観的に把握できました。
経歴に不安がある人ほど、プロに客観的に見てもらう価値は大きいです。一人で抱え込まないでください。
まとめ:過去の経営経験を、未来の組織貢献に変換する
元会社経営者という経歴は、強力な”資産”です。ただし企業は、それを**「謙虚に、実行力ある形で還元してくれる人材か」**を見ています。
過去を誇示するのではなく、過去から学んだことをこれからどう活かすか。その姿勢が伝われば、倒産経験はマイナスではなく、あなただけの説得力になります。
そして、不安なら一人で抱えないこと。私自身、エージェントの客観的な助けがあって、ようやく一歩を踏み出せました。同じ立場の誰かの、背中を押せたら嬉しいです。
職務経歴書に倒産の内容をどう書くかはこちらに書いています↓
倒産経験者が職務経歴書をどう書いたか|「会社をたたんだ」をマイナスにしない5つの工夫
私の倒産から再就職までの全体像は、こちらにまとめています↓
会社を畳むと決めた社長へ〜破産・廃業・再出発の全手順
【この記事を書いた人】 元・中小企業経営者(従業員十数名)。経営悪化と人手不足により会社を廃業。法人破産・経営者保証ガイドラインを経て、現在はサラリーマンとして再出発。「自分と同じ規模の社長の体験談が見つからなかった」という経験から、このブログを書いています。
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