はじめに:基本の違いは分かった。問題は「どう使い分けるか」だった
会社をたたんだあと、再就職に向けて、私は転職サイトと転職エージェントの両方を使いました。
サイトとエージェントの基本的な違いや、書類通過率の差(私の場合、サイト経由 約30%/エージェント経由 約80%)については、全体像をまとめたこちらの記事で書いています↓
→ 会社を畳むと決めた社長へ(破産・廃業・再出発の全手順)
この記事では、その一歩先の話をします。リクルート、マイナビなど大手の求人サイト、企業の口コミが見られるオープンワーク、そして転職エージェント——ひととおり使ってたどり着いた、「どちらが上か」ではなく「どう役割で使い分けるか」という、実践の答えです。
転職サイトの本当の強みは「企業分析」だった
転職サイトの強みは、求人を自分のペースで探せて、たくさん見比べられること。ここは言うまでもありません。
でも私が一番”効いた”と感じたのは、別のところでした。企業分析に、生きた情報が手に入ることです。
昔、新卒で就職活動をしていた頃には、こんなものはほとんどありませんでした。オープンワークのような口コミサイトでは、現場の社員の評価、退職理由、志望動機まで書かれています。これは求人票だけでは絶対に分からない情報です。「この会社は、中から見ると本当はどうなのか」を、応募前に冷静につかめる。ここは、エージェントにもできない、サイトが圧倒的に強い部分でした。
でも、サイトだけでは越えられない壁があった
一方で、サイトだけで進めると、倒産経験者にはきつい壁がありました。
- 応募も、日程調整も、全部ひとりでやる
- 倒産・破産のことを、書類にどう書けばいいのか、誰も教えてくれない
- 書類選考に落ちても、理由のフィードバックがない
特に後半2つは、倒産経験者にはなかなかの悩みどころです。「会社を破産させた経歴を、職務経歴書にどう書けば前向きに伝わるのか」——検索しても出てこないし、サイトは教えてくれない。落ちても理由が分からないから、何を直せばいいかも分からないまま、ずいぶん悩みました。
(※職務経歴書を実際にどう書いたかは、こちらに詳しく書いています↓
→ 倒産経験者が職務経歴書をどう書いたか)
そこを埋めてくれたのがエージェントだった
同じ活動を、エージェントと一緒にやると、差は歴然でした。書類の書き方を一緒に直してくれて通過率が上がり、面接対策もしてもらえる。何より、「あなたにはこれが合う」と提案してくれる。
サイトが「求人を並べてくれる」道具なら、エージェントは「一緒に考えて、伴走してくれる」存在。この違いは大きかったです。
倒産経験者にとっての、決定的な一点
ここが、この記事で一番伝えたいことです。
倒産を経験すると、「自分の経歴なんて、マイナスにしかならない」と思い込みがちです。でもエージェントは、「あなたの倒産経験は、サラリーマンとしてどの部分で役に立つのか」「企業は、あなたのどこを求めているのか」を、採用市場を知る立場から教えてくれました。
これは、サイトを一人で眺めていても、絶対に見えてこない視点です。倒産直後で視野が狭くなっている人ほど、この「客観的な翻訳」が要る。
(この”自分では気づけなかった強み”の話は、こちらに詳しく書いています↓
→ 元社長が転職して気づいた本当に評価される強み)
私がたどり着いた「使い分け」
両方使った結論として、私はこう役割を分けました。
- 転職サイト=探す・調べる。 企業を幅広く探し、オープンワークの口コミで退職理由や志望動機まで見て、その会社の実像をつかむ
- エージェント=本命を勝ちにいく。 絞り込んだ本命企業の選考を、書類・面接・伝え方まで伴走してもらう
「探す・調べる」はサイト、「本命を勝ちにいく」はエージェント。 これが、私にとってのベストでした。
まとめ:どちらか、ではなく「両方を、役割で」
「転職サイトとエージェント、どっちがいいの?」とよく聞かれます。私の答えは、「どっちも。ただし役割で使い分ける」です。
企業分析なら、サイトの情報は本当に役立ちます。幅広い企業、志望した理由、辞めた理由まで見られる。それを見ながら、自分の希望と適性を冷静に一緒に考えてくれるエージェントを併用する——これが、倒産経験者にとってのベストだと、私は考えています。
一人で全部抱えるより、調べる道具と、伴走してくれる人。両方あった方が、ずっと前に進めます。
面接で実際に聞かれた質問はこちら↓
→ 元社長が転職面接でよく聞かれた5つの質問と回答
エージェントを使うべきか迷っている人はこちら↓
→ 倒産経験者の転職、エージェントは使うべき?
倒産から再就職までの全体像はこちら↓
→ 会社を畳むと決めた社長へ
【この記事を書いた人】 元・中小企業経営者(従業員十数名)。経営悪化と人手不足により会社を廃業。法人破産・経営者保証ガイドラインを経て、現在はサラリーマンとして再出発。「自分と同じ規模の社長の体験談が見つからなかった」という経験から、このブログを書いています。
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