第2回 破産、経営者保証ガイドラインって?〜弁護士に教わった“社長の次の一手”〜

破産準備

弁護士との最初の面談で、私ははじめて「会社のたたみ方」と「その後の人生の選び方」を知りました。

弁護士の話では、大きく2つのステップがあるとのことでした。

ステップ1:会社の破産手続き

まずは会社の清算です。
債権者(金融機関や取引先)に対して、会社が破産する旨を正式に通知し、手続きを進めます。

ステップ2:社長個人の対応(自己破産 or 経営者保証ガイドライン)

中小企業では、会社の借入に社長が“連帯保証人”として個人保証しているケースがほとんどです。

つまり、会社を破産させても、借金が「社長個人」に回ってくるのです。
そこで、次の2つの方法のどちらかを選ぶことになります。

① 自己破産

  • 所有しているほとんどの財産を手放し、すべての借金を帳消しにする方法です。
  • 99万円以下の現金と、生活に必要最低限のもの以外は処分されます。
  • クレジットカードは数年間使えなくなり、いわゆる「ブラックリスト」状態になります。
  • 家を借りる、ローンを組むなどに支障が出る場合があります。

② 経営者保証ガイドライン(私が選んだ方法)

  • これは、会社の借金に対して連帯保証した部分だけを整理する制度です。
  • 個人で組んでいた住宅ローンなどは対象外。
  • こちらも99万円以下の現金と、初年度登録から5年を超えた車などは残せることが多いです。
  • クレジットカードの利用や信用情報(いわゆるブラックリスト)にも影響しない場合がほとんどです。

「会社の借金だけを清算して、個人として再出発したい」人に向いている方法です。

⚠ 注意点:この制度は“まだまだ浸透していない”

この経営者保証ガイドラインは、法的に強制力のある制度ではありません。
ただ、金融庁が推進しており、ほとんどの金融機関が積極的に応じてくれます。

私も実際、金融機関と相談して進めることができました。

とはいえ、注意点があります。

📌 この制度に詳しい弁護士がまだまだ少ないのが現実です。
「破産は得意でも、経営者保証ガイドラインはやったことがない」という方もいました。

気になる費用について
  • 経営者保証ガイドラインの弁護士費用:およそ60万円前後
  • 会社破産+管財人付きの自己破産費用:およそ200万円程度かかるケースもあります

※ 規模や資産の状況で変動しますが、「きれいに終わらせる費用」も準備が必要です。

正直、最初は「会社を潰す」という選択をすることすら怖かったです。
でも、制度を知り、選択肢を持つことで「どう終えるか」ではなく、「どう始め直すか」に意識が変わっていきました。

あなたがもし、今同じような不安を抱えているなら、
「破産」と「経営者保証ガイドライン」──この2つの道の存在だけでも知っておいて損はないと思います。

次回
第3回  そもそも破産しなかったらどうなるの?

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