第10回 再スタートして感じた“生活の変化”──元経営者がサラリーマンに戻って思ったこと

再出発

十数年ぶりに、私はサラリーマンとしての生活をスタートさせました。

経営者として働いていた時は、仕事に終わりの時間などありませんでした。

朝早くから夜遅くまで、資金繰りに追われ、休日も頭の中は仕事のことでいっぱい。

でも今は、始業時間に出社し、終業時間に退社するという、決まったリズムで働く日々です。

精神的な負担の軽減

サラリーマンになって、最も大きく感じたのは、心の負担が軽くなったことでした。

  • 資金繰りを心配しなくてよくなった
  • 毎月の売上や取引先の支払いに追われることがなくなった
  • 経営判断の責任を1人で抱え込まなくてよくなった

こうした変化は、自分の想像以上に心を軽くしてくれました。

家族との時間が増えた

また、家族との時間が増えたことも大きな変化のひとつです。

経営していた頃は、土日もどこか仕事モードが抜けず、心ここにあらずな時間を過ごしていたこともありました。
でも今は、週末や祝日には、子どもと出かけたり、家族で食卓を囲んだり──

「家族と過ごす時間のありがたさ」を、あらためて感じています。

40代を過ぎて、「親や子どもと一緒に過ごせる時間は意外と少ない」と言われますが、このタイミングで経営から退いたことは、私にとって“人生を立て直す決断”だったのかもしれません。

とはいえ、感じる“物足りなさ”もある

もちろん、サラリーマンとしての安定と引き換えに、感じる「物足りなさ」もあります。

  • 決裁権の限界(提案してもすぐには通らない)
  • 業務改善を進めようとしても、変化を嫌がる空気
  • 会社の方針について思うことがあっても口を出せない立場

これは、長年「決定する立場」にいたことによる反動なのか、それとも自分の性分なのかは、正直まだ分かりません。

これからの選択肢

今の私は、完全に再び独立するわけではありませんが、サラリーマンとして働きながら、副業や小規模な事業をスタートさせるのが、自分にとって一番自然だと感じています。

経営も、組織の一員として働くことも、どちらも経験してきたからこそ、「自分の強みを活かしつつ、社会ともつながる働き方」を、これからは模索していきたいと思っています。

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